介護士としての心構えとは

2006年に看取り介護加算が開始され、国は介護施設での看取りを推進しています。介護施設で最期を迎える方の人数が年々増え、かつては家族や医療従事者が行っていた看取り介護を、現在では介護士が担うようになっています。今後も、看取り看護はますます増えていくことが予想できるので、介護士は心構えをしておくべきです。

看取り介護未経験の介護士の多くは「どうしたらいいか分からないから看取りにあたるのが不安」と考えています。人が亡くなる場面に接したことがなければ、このように思うのは当然のことです。

ですが、死は特別なことではなく、いつかは自分にも訪れるものです。不安や怖いという感情はいったん脇に置き、今、利用者のために何ができるか?利用者や家族は何を望まれているのか?ということに考えを集中しましょう。

たとえば「家族は本人が好きだった音楽を聞かせてあげたいと願っている」、「本人が好きなものを食べたい、家族に会いたい、あるいは「痛みをやわらげて欲しい」と思っているなど、利用者やその家族の望みが何か聞き取り、汲み取ってあげましょう。その望みをかなえるために何ができるか介護士は考えてください。

看取りは最期の臨終のときまで時間がありません。ですから、不安に感じている時間がもったいないです。本人や家族の望みを聞き取り、できる範囲で望み通りの最期が迎えられるように手を尽くしましょう。利用者が不安や苦痛なく最期を迎えられることを目標にしてください。